数学の話がブログの中では多いんですが、理科についてもこれからはどんどん触れていこうと思います。
最近の理科の入試問題の傾向
理科は、はっきり言って暗記事項は多いです。
ですが、最近の理科の問題の傾向として、思考力を問う問題が高校入試、大学入試共に増えてきています。
暗記したことがどういう意味を持つのか、ちゃんと理解出来ているのかを入試は的確に突いてきます。
最新の高校入試問題を例にして説明します。
最新の入試問題
問題
↓の問題は、2020年度北海道公立高校入試の問題です。
電磁気の典型問題です。
ちなみに②の答えは、「ア 慣性」が答えです。今回、慣性の説明までしませんので、悪しからず。
問題は、コイルがどっち向きに回るかとういう非常にシンプルな問題です。
ですがもしかすると、磁界からどのように力が受けるのか↓のような右手ビンタやフレミングの左手の法則で丸暗記していると、どうしていいか分からなくなるかもしれません。
なぜなら、上の暗記だけでは、U字磁石のような磁界の向きが直線にしか対応していないので、今回のようなケースにどう対応してよいかわからないからです。
勘違いして欲しくないのは、右手ビンタで覚えるのは悪くありません。
私自身、手のひらで押すイメージ、磁界がたくさん出ていて、直感的でこの覚え方は非常に簡単で良いとすら思っています。
あくまでも受験問題を一瞬で解くためのツールですので 、使う前にその裏にある物理現象は何かをしっかり理解して欲しいと思います。
電流と磁界に関する物理現象の基礎知識を知っていますか?
今回は二つの物理現象が関わっています。おさらいしていきます。
電流と磁界の関係(右ねじの法則(最重要))
導線に電流を流すと、磁界が生じることが分かっています。
この磁界は、必ず電流の流れる方向の同心円状に作られ、その向きは右ねじの方向と一致します。
言葉だと難しいですが、絵で見ると一発でわかります。
まずは、これを確実に覚えてください。
二つの磁界が作る力の関係
上の導線を磁石の磁界の中に入れます。磁石の磁界は、N→Sへ作られることに注意してください。
下みたいな感じです。このとき、導線は真上からみたことにして下さい。
そうすると、導線は強め合う磁界から弱められる磁界の方へ力がかかります。
↓のようなイメージです。
この現象の関係を端的に表したものが、右手ビンタやフレミング左手の法則です。
大事なことは、磁界が強い方から弱い方に動くという事です。
矢印を制するものが、理科を制す
力学、電磁気学の分野は特にこの矢印が、非常に大きな意味を持ちます。
力学、電磁気学では、特に意識して使ってみましょう。
矢印を書く場所は二つあります。
問題に戻って、二つの矢印を書いていきましょう。
視点の矢印
今回の問題の視点は、どこから見た問題か、しっかりと図4に矢印を書いてみましょう。
下のようになります。
問題文の中に「線Xから線Yの方向に見て」と書かれているので、上のように左から右に見るということです。
つまり、左から右に見た断面図を考える必要があることが分かります。
断面図は下です。必要な部分だけ抜き出して、簡略化して書きます。
×印は、電流が手前から奥に向かう意味があります。
力の矢印
視点から分かった断面図に、力の矢印を書いていきましょう。
今回は、磁石が作る磁界と導線の電流が作る磁界をそれぞれ書いていきます。
下のようになります。
そうすると、導線の左右で磁界が強めあう部分、弱めあう部分が分かるので、
左に動くことがわかります。よって答えは、時計回りが正解になります。
まとめ
実際の入試本番では、上のようにゆっくり解いている時間なんてありません。
視点の向き、電流の向き、磁界の向きを確認して、右手ビンタで数十秒で解けるように訓練していく必要があります。
ですが、最初から数十秒で解けるわけではありません。
基礎→反復練習を繰り返すことで、最終的に超スピードで解けるように必ずなります。
慌てずに、理論から学んでいきましょう。
実は矢印は、2020年度の金星の動きの問題にも大きく関わっています。
知っているのと、知らないのでは、理科の点数に大きく差が出るでしょう。
分かっていれば、 ただの基礎知識を組み合わせているに過ぎないので なんてことない簡単な問題です。
ですが、ただ暗記をするのではなく、知識を理解していなければ解けないというのは理解していただけたと思います。
これは意外に独習では難しいです。
ですので当塾のように専門的に指導できる塾をぜひ探して下さい。
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